Q.私の声はプロの歌声と何が違うのでしょう?

ボイトレQ&A

プロの歌声と自分の声の違い

こんにちは。ボイストレーナーのまきです。今日は「プロの歌声と自分の声は何が違うのか」についてのご質問をいただきましたので一緒に考えていきたいと思います。

ご質問をくださった方はカラオケが大好きな40代のA子さん。

割と高音域も出る方だし、ビブラートもできる。好きな歌手は今井美樹さん。

ご自分ではそんなに下手な方ではないと思っているけれど、プロの歌と比べると明らかに素人っぽく上手くない気がする。

上手くなりたくても、何をどう改善したらプロのような歌声になるのか。そんな疑問をいだかれたようです。

人が行動できることは認知したことだけといわれます。

自分が理解していないことが行動に表われることはありません。

よって、プロのような歌を歌えるようになる第一歩は「違いを認知する」ことです。

歌が上手くなりたくて「違いを知りたい」という願望が生まれてきたA子さんは、とてもセンスがいい思います。

それではその謎を解明すべく、一つずつ紐解いていきましょう。

1つの音まで分解してみる

歌はいくつもの声の集まりです。歌声を1つの音まで分解して考えてみましょう。

【例】春よ、来い 松任谷由実

春よ恋の冒頭「淡き光立つ にわか雨~」の一番最初の「あ」に着目してみましょう。

松任谷由実さんは控えめながらも力強く、真っすぐな歌声で歌っていらっしゃいますね。

たった一文字聴いただけですっと心を引き付けられるようです。

心の乗った完全な「あ」です。

一瞬で過ぎ去る儚い歌の世界

音楽は時と共にノンストップでどんどんと進行していきます。

一言、一文字に割り当てられた時間は儚く短い「一瞬」です。

たくさんの言葉の中から集められた歌詞、心を表現するために選び抜かれたその一瞬の言葉に、思いをのせて歌う。

大切な言葉。

その音を発するときの「意気込み」

言葉を「大切にする思い」

プロの歌手とそうでない方の歌にある違いの一つではないでしょうか。

音が生まれてくるするときの「形」

しかし、気持ちの面で言えば「私だって心を込めて歌ってます!」

と皆さんおっしゃると思います。

次は、テクニカルな部分で注目してみましょう。

以前「歌が棒読みになるのはなぜ?」でも書きましたが、形と同じ音が出るという現実があります。

プロの歌声と皆さんの歌声に違いがあるとすれば、まず「形の違い」を疑わなければいけません。

ここでもう一度先ほどの「春よ来い」の冒頭の「あ」を使って解説します。

準備の早さ・粘り

仮にこの冒頭の「あ」に割り当てられた時間が1秒だとします。

この1秒で心を表現しなければいけないのですから、時間をめいっぱい使ってに歌を乗せていきたいですよね。

でも1秒なんてあっという間に過ぎていきます。

さて、プロはどんなテクニックを使うのでしょうか。

プロの歌手は「あ」が始まる前からすでに「あ」の形を整えて声を迎える準備をしているのです。

とは言っても前奏の時から「あ」の口を開いているわけではなく、

「あ」の割り当ての時間が始まるほんの少し前に開きます。

0.何秒という世界です。

そして今度は、次の「わ」が来るギリギリまで粘って完全な「あ」の存在感を維持します。

ここで形がブレたり不完全だったりすると、どうなるでしょうか。

そうです。その口の形と同じ声が出るんです。

そしてすぐに次の「わ」がやってきてしまいます。

「あ」も粘りたいけど「わ」も準備して素早い初動でスタートしたいですよね。

ここまでで、なんとなくプロのテクニックがお分かりになったでしょうか。

目指すものを明確にしましょう

さて、ここまでの分析で、プロの歌手との違いが見えてきましたね。

プロの歌=初動が早く、その言葉の持ち時間目いっぱいまで音を維持する声を出している。

A子さん=初動への意識は無い。言葉の持ち時間の意識もなく、流れ作業のように歌い進めている。

違いがわかったら、目指すものを明確にします。

初動に乗り遅れない瞬発力を鍛えましょう。そして、人の心を魅了するいい声を獲得し、時間目いっぱいに粘り強く歌いこんでいける力を付けましょう。

いつかプロみたいに歌えるようになるの?

ここまで聞いたあなたは「そんな大変なことできない!」とがっかりするかもしれません。

しかし、実は誰にでもできることだと私は思っています。

技術ばかり着目すると、とても難解で到底自分にはできないように思えてきますが、この「初動の早さ」や「粘り」の正体は「言いたくて、伝えたくて仕方ない溢れる思い」なのです。

あなたがお友達と楽しくおしゃべりしている時、「立て板に水」とばかりに口をついて言葉が出てきた経験はありませんか。

また、大切な話をしている時声に重みや箔が付いたり、怒った時なんかにびっくりするくらいの大きな声が出たことなど、ありませんでしょうか。

歌を自分を飾るファッションとしてとらえたり、テクニックの部分に固執して歌いたくなることは誰でもありますが、あくまでも歌はメッセージを伝えることが目的であることを認識して歌うことができれば、いい歌は必然的に歌えるようになってくると思います。

「伝えたくてこらえきれない思いを原動力に歌を歌う」

だって、人の心にプロもアマチュアもありませんからね。

ちなみにレッスンでは「やったろけー!」って思いで歌いましょう!!とお伝えさせていただいています。

みなさんの「歌声」をぜひ聴かせてくださいね。

まきの歌広場はオンラインレッスンで全国対応!
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歌唱力向上はもちろん、健康や美容のためのトレーニングとしても
ご活用いただいています。

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